

美術雑論01|村上華岳
日本画家 村上華岳(1888〜1939)
近代を代表する日本画家であり、彼の描く人物画(仏画)は20世紀の最高峰と称されている。晩年は、神戸 花隈にて制作に没頭した。
大好きな画家のひとり、村上華岳を紹介させて頂きます。華岳の描く人物画は、作品の前で座禅を組んで心を清めたい そんな気持ちにさせられる作品です。
その作品には、実在するどのような人物や曼荼羅や仏像よりも、まるで本物の仏様と対面しているかのような厳粛な心持ちにさせられる力が宿っています。
絵が上手いとか 描写が繊細とか、そんな次元ではなく、むしろ絵画や美術といった枠組みを超越した精神性が、そこにはあります。
『制作は密室の祈り』と常々語っていた華岳の不思議な魅力の根源は、その怖ろしいまでに研ぎ澄まされた精神によって生み出された「相反する二面性の調和」です。
慈愛と畏敬、妖艶と聖性、官能と悟り .. これらが高い次元で共存した作品は、"高貴な品格の中に 妖艶な官能美も調和された" 唯一無二の芸術として人々を魅了します。
日本には ダヴィンチやフェルメールはいませんが、村上華岳がいます!
華岳の作品は山種美術館をはじめ、神戸や京都でも見ることができます。
華岳を見れば、絵画の見方が変わるかもしれません。
